(本記事は、西田一見氏の著書『ビジネスNo.1理論』現代書林、2014年7月15日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

ビジネスで成功するのは、スポーツで勝つよりはるかに簡単

ビジネスNo.1理論
(画像=Rocksweeper/Shutterstock.com)

私たちは、経営者などビジネス界の人間はもちろんのこと、たくさんのトップアスリートに対してスーパーブレイントレーニング(SBT)を行っています。

みなさんがよくご存じのアスリートでは、元巨人の桑田真澄投手をサポートしたり、北京オリンピック女子ソフトボールチームの金メダル獲得を支えたり、埼玉西武ライオンズの菊地雄星投手や、2013年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で活躍した福岡ソフトバンクホークスの大隣憲司投手をサポートしたりしてきました。

このような世界のトップレベルで活躍するアスリートをサポートしてきた私たちは、ビジネスの世界で成果を出したいと考えている会社の経営者などにこう言います。

「みなさん、スポーツの世界でトップになるのに比べたら、ビジネスの世界で成功するなんてチョロいですよ」

それは、なぜか?

スポーツ選手は、「体力」と「技術」と「心理的強さ」をあわせ持っていないといけないからです。そのために彼らは、激しいトレーニングをプラス思考で行い、自らを高めます。そして、この3つがすべて高いレベルに達したアスリートだけが、初めて檜舞台に立てるのです。

100m走を例に考えてみましょう。日本全国で1000番目に速い選手は、インターハイにも国体にも出場することはできません。スポーツの世界で「1000番」というのは、成功とはほど遠いところにあるわけです。

対して、ビジネスの世界はどうでしょうか?

まず、「体力」も「技術」もそれほど極端に鍛錬する必要はありません。まず、鍛えるべき要素がスポーツに比べて少ないのです。

さらに、テレビに出ている、あなたが「かっこいいな、憧れるな」と思うような一流ビジネスマンでも、日本で「1000番」程度のレベルです。

ビジネスの世界なら、「1000番」どころか「3000番」「5000番」のレベルでも、世間から成功者と見なされます。

つまり、ビジネスで成功することは、スポーツで一流になるよりはるかに簡単なのです。

「勝ちグセ脳」をつくれば、実力をはるかに超えた奇跡が起こる

私たちは、スーパーブレイントレーニング(SBT)、つまり「勝ちグセ脳」のつくり方の研究を30年以上続けてきました。

当初は私たちもメンタルトレーニング、つまり「勝つための心理」のつくり方からトレーニングを始めたのですが、そのトレーニングの中で大きな壁にぶつかったのです。なぜなら、私たちの目指していたことと大きなズレを感じたからです。

メンタルトレーニングというのは、「今の実力を、実力通りに出すため」のトレーニングです。

例えば、実力が100点満点に近い非常に高いレベルにあり、環境にも恵まれている人間が、本番になるとなぜか実力が50しか出せない場合は、メンタルトレーニングが大きな力を発揮します。

けれども、実力が100点満点に近い優秀な人間は、世の中にほんのひと握りしかいません。 そうではなく、私たちがやりたかったのは、一般の人間でも驚くべき力を発揮できるトレーニングの開発でした。

例えば100点満点中20点の実力しかないような人間が、100点どころか200点のパフォーマンスができるようにならないのか──。そうすれば、100点の才能を持った人間と勝負して、たとえその相手が100点満点のパフォーマンスをしても勝てるのではないか──。

そう考えて行き着いたのが、「脳」研究の分野だったのです。

私たちが、「勝ちグセ脳」のつくり方を通じて目指しているもの。

それは、ひらたく言えば「一般人が奇跡を起こすこと」なのです。

・これまでずっと赤字で悩んでいた事業が、短期間で一気に黒字転換する。
・地区予選で毎年1回戦負けだったチームが、全国優勝を果たす。
・まったくやる気のなかったダメ社員が、No.1になる。
・クラスで最下位の成績だった子どもが、東大に入る。
・何の才能もないと思っていた主婦が、誰もが憧れる経営者になる。

そんなふうに、今までまったく思ってもみなかったことを、現実化するためのトレーニングが、このスーパーブレイントレーニング(SBT)=「勝ちグセ脳のつくり方」なのです。

スーパーブレイントレーニングで天才経営者の脳を身につける

では、「一般人が奇跡を起こす」ための脳のトレーニングとは、いったいどのようなものなのでしょうか?

簡単に言えば、「天才経営者とあなたの脳をスポッと入れ換えてしまう」のです。

天才経営者というと、あなたは誰を思い浮かべますか?

海外なら、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏や、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏などを思い浮かべる人が多いようです。

また、日本ではパナソニックを創った松下幸之助氏、ホンダを創った本田宗一郎氏、ソニーを創った井深大氏や盛田昭夫氏、京セラを創り、JALの再生を行った稲盛和夫氏などを尊敬する人が多いようです。

ここで、そのイメージを創ってみましょう。

(1)「天才経営者、○○○○」と、あなたにとって憧れの天才を、まず誰か1人思い浮かべてください。

経営者を思い浮かべるのが難しい人は、他のジャンルの天才でも結構です。

スポーツ選手なら、野球のイチロー選手やダルビッシュ有選手、サッカーのメッシ選手や本田圭佑選手など、さまざまな顔が浮かびますね。

ノーベル賞を受賞した科学者や、織田信長、豊臣秀吉など、歴史上の人物でもOKです。

(2)あなたの脳が、その○○○○と入れ換わり、その後の人生を過ごしていく様子を思い浮かべてみてください。

どうですか?今までの人生とはまったく違う視野で世界が見えてきませんか?

わかりやすい例として、ある高校球児の脳が、現在メジャーリーグで活躍するイチロー選手の脳と入れ換わった場合を想像してみましょう。

その高校球児が、たとえ背が低く、非力で、県大会1回戦負けの弱小チームにいても、脳がイチローになった瞬間、天才になれるのです。

彼の目指す舞台は、当然メジャーリーグに設定されます。なぜなら、イチロー選手と同じプラス思考で、イチロー選手と同じ努力で毎日を生きようとするからです。

では、天才に共通する思考とは何か?

それは、端的に言えば、「必ず実現する」と確信していることです。

発明の天才エジソンの名言に「私は今までに一度も失敗をしたことがない。この素材や方法では電球が光らないという発見を2万回しただけだ」というものがあります。

しかも、ただ単に2万回実験を行ったわけではありません。徹底した科学的アプローチを2万回行い、その結果として、世界初の電球がエジソンの手によって誕生したのです。

このような天才ならではの思考を短期間で体系的に身につけられる。そして、24時間ずっとこの脳で生活できるようになる。それが、スーパーブレイントレーニング(SBT)=「勝ちグセ脳のつくり方」です。

ビジネスNo.1理論
西田一見(Hatsumi Nishida)
メンタルトレーナー&目標達成ナビゲーター。株式会社サンリ代表取締役社長。サンリ能力開発研究所にて大脳生理学と心理学に基づく科学的なメンタルトレーニングの研究をはじめ、脳の機能にアプローチする画期的な潜在能力開発プログラム「SBT(スーパーブレイントレーニング)理論」を指導。さまざまな心理分析データから夢・目標達成をサポートする「目標達成ナビゲーター」として、講演・講習などですでに数百万人もの指導実績を持つ。

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