イメージを飛ばせ!
2017/02/08
メンタルコラム

高校時代の三年間、SBTでメンタルサポートさせていただいた競泳選手が見事、リオデジャネイロオリンピックの切符を獲得!先日、オリンピック壮行会に招待され、行ってまいりました。

同じ高校から二人も選出。松本弥生選手と、藤森太将選手。二人の出身校は、静岡県沼津市にある学校法人沼津学園 飛龍高等学校水泳部。

※飛龍高校水泳部のNO.1ポーズも「人差し指」でしたので、写真の時のNO.1ポーズは慣れたものでした。

松本選手と藤森選手は現在、ミキハウス所属。二人が日本体育大学から現在までのコーチであり、太将選手のお父さんでもある藤森コーチも当然ですがご列席されていました。チーム藤森による今回の五輪日本代表は6人。これは日本の競泳史上初だそうです。凄い!

沼津学園・飛龍高校水泳部のオリンピック出場は、これで3大会連続。これは静岡県競泳史上初。これも凄い!

そして、松本弥生選手は、2大会連続オリンピック出場は水泳部初。凄い尽くしです!

 

藤森太将の思い

オリンピック壮行会で、私が強く印象に残っている思い出があります。

それは、飛龍高校水泳部が初のオリンピック選手を輩出した2008年、北京オリンピックの壮行会によんでいただいた時の事です。

帰り際、お客様をお見送りのため並んでいる飛龍高校水泳部の生徒達に、

「これでオリンピックがイメージできたろう。今度は君たちの番だよ!その時はまた壮行会に呼んでね!」と言ったら、

「当然です!次に行くのは僕です!」と、0.2秒で答えたのが藤森太将君。

えっ!? 私は全員に向けて言ったのですが。

ただ、そう宣言した太将君ですが…、高校最後のインターハイは10位。決勝にすら残っていません。

そういう結果になると「オリンピック選手になる!」という目標は夢どころか妄想になり、やがてシャボン玉の様に消えていくのが普通。でも、彼の脳は、高校の時からインターハイの決勝ではなく、オリンピックの決勝にイメージを飛ばし続けていたのでしょう。だから、荻野公介選手、瀬戸大也選手という世界王者の間に堂々と割って入り、個人種目で五輪切符を奪い取れたのです。実際彼はこの日のスピーチでも、会場の後ろにいる現役の水泳部の後輩たちに向かって、『僕は高校時代、決勝にも残れない選手でしたが、22歳で日本代表となり、24歳の今、オリンピック代表になれました。だから、ちょっとくらいダメだからといって夢を諦めず、追い求めていって下さい!』と熱く訴えてくれました。オリンピックに選ばれ、「ありがとうございます!応援よろしくお願いします!」だけでなく、こういう発言をすること、これこそオリンピアンの役割です。だって、結果を出した人の発言は良くも悪くも説得力を持ち、人は信じてしまう。だから結果を出した時には、この時とばかりに、聴いてくれる多くの人達のイメージや人生観を変える発言をすること、それがトップアスリートのやるべきことなのです。

そんな藤森選手の発言にも感動しましたが、それを真剣な顔で聴いている後輩の水泳部員の顔を見て、更に感動し、泣きそうになってしまいました。

 

松本弥生の思い

松本選手のロンドンからの4年間は、辛い事の方が多かったと聞いていました。それもそのはずです。次も狙うと決めたら、周りも自分も何段階上のレベルアップを期待します。ただ、それまで最大の夢だったオリンピックを終えた後のバーンアウト(燃え尽き症候群)は、経験した人じゃないと分からない。彼女に限らず、2回目のオリンピックは、ただ「誰々に勝ちたい!」「オリンピックに出たい!」では、心を燃えさせることも、ワクワクさせることも出来ない。記録が上がらないことより、燃えられない、ワクワクできない自分に苦しみ、負のスパイラルに入っていきます。でも、そうだからこそ、自分が水泳をやる意味や、2回目のオリンピックを目指す意義を真剣に考え、相手と戦わず、自分と戦い、自分と本気で向き合えた4年間だったことと思います。

松本選手にとってロンドンオリンピックまでの4年間は、私が考察するに、イメージ力と記録が大きく成長しての出場。SBTの3つのチカラでいう、「成信力」が最大に高まっての出場。

ですが、リオまでの4年間は、人間的に大きく成長しての出場。「苦楽力」と「他喜力」を蓄えたからこそ乗り越えられ、果たせた五輪切符獲得。それはこの日の彼女の顔を見で確信できました。元気で、明るく、それでいて落ち着いて、堂々とした雰囲気が全身に現れていましたから。

松本選手と藤森選手。年齢は2歳しか違いませんが、もっと年齢差があるくらいの感じに見えました。松本選手が老けて見えるって意味じゃないですよ!

これが初めて五輪に出場する選手と2回目の選手の違いなんですね。

実際、二人の雰囲気の違いは、二人の指導者である藤森コーチもスピーチの際に同じことを仰っていましたから間違いないでしょう。

ですから、オリンピック初出場となる藤森選手には、【オリンピック本番で実力を発揮するためのマル秘メンタル術】を伝授しておきました。藤森選手は素直な負けず嫌いですので、きっと実行してくれるでしょう。

 

ここからの二人

松本選手、藤森選手に限らず、オリンピック選手になってしまうと、「えっ!?まだあるの?」と、ビックリするくらいに続く壮行会。

皆さんから掛けられる「頑張れ!頑張れ!」の思いを、プレッシャーでなく、『楽しさ』、『喜び』、『感謝』に変換し、リオのプールで、思い切り自分を表現してくれることを心より願っています!